松本人志の「不良品」発言で露呈!テレビの芸能人コメンテーターが不快な理由

最近のテレビ番組では、タレントや芸人をコメンテーターとして起用するワイドショーがトレンドの一つとなっている 。

そこでは、世の中で起こった事件、事故、または有名人のゴシップをネタに、それぞれの意見や見解を聞きながらトークが展開していく。例えそこに専門性がなくとも単に有名人であることから、話題性だけでたちまち発言は広がっていくため、反響を呼ぶことも少なくない。

勘違いした芸能人の「なんちゃって論客」ぶりの危なさ

特に事件や事故には様々な背景があり、簡単には語れない部分は多い。

だがそれを芸能人のゴシップネタと同じようにバラエティ的な雰囲気の中で扱われる、それは時に軽々しい発言が社会的に悪い影響を与えかねないということを、テレビを作る側の人間はどれだけ理解しているのだろうか・・・

人間が生まれてくる中でどうしても一定の不良品が・・・

そんなテレビのあり方が問われるなか、先日、川崎市多摩区の路上で、私立カリタス小学校の児童ら20人が殺傷された事件を、フジテレビ系で放送されている番組『ワイドナショー』で取り上げた際に出演者の松本人志が発言したことが物議を醸している。

「人間が生まれてくる中で、どうしても不良品っていうものが何万個に1個、ぜったいこれはしょうがないと思う。それを何十万も、何百万個に1つくらいに減らすことは出来るのかなっていう、みんなの努力で・・・まぁ正直、僕はこういう人達はぜったい居ますから絶対数、もうその人達同士でやりあって欲しいですけどね。」
出典:ワイドナショー(松本人志)

あくまで個人的な意見と言ってしまえばそれまでだが、影響力のある人だけに、危険な物の言いようであったことは確かだ。

例えば以前、杉田水脈議員(52)が、LGBTを語った際に「生産性」という言葉を使ったことで批判を浴びたことがあったが、今回松本が使った「不良品」という言葉には、人は生まれ持って優良と不良があるかのような、より具体的な区別の意味に取れる。

杉田議員はこれらワイドショーで散々叩かれたが、それがダメで今回の松本の発言がOKなら、それこそ芸能界の「忖度」が働いている、という事になるのでは・・・

むしろ国会議員なんかよりも、有名で発言力のある人の言葉なだけに、結局は都合の「良い人間だけを叩く」というテレビの悪い部分が露呈する形になるのではないだろうか。

人間は「不良品」ではない!「不具合」を起こすだけだ!

確かに事件に感情的になるのも分かる、しかし彼の言う不良品とはどういうものなのかは知らないが、犯罪を起こすような性質を持って生まれる人間がいるというなら間違いだ。

器用、不器用の差はあるだろうが、人間は成長過程でいか様にもなるということだ。テロを起こす人間は生まれながらにしてテロリストなわけではない。

ただ、そういった人間の心を形成するものの大部分は自身で選べないことが多いのも現実だ。

生まれる国、地域、 環境、親、友達、出会った人・・・そして「運」

立派な親の言うことも聞いて、友達に恵まれ、頑張って勉強して、 良い学校に入って、大企業に就職して・・・まさに恵まれた環境で順風満帆な人生。

だが、仕事でつまづき、さらに上司に掛けられた言葉1つで精神的に追い詰められ、これまでの順調だった人生のすべてが変わってしまう。

そんなことだって起こりえるのだ。

周囲からも「ちゃんとした人」と見られていた人間が、突然精神を患い、会社を辞めざるを得ない。その絶望感や怒りから、他人を巻き込んで自分の命を絶つという考えに及ぶことだって、実際の事例にもある。

こういった状況は、上司に恵まれていれば、もしくは支えてくれる友人がいれば回避できたかもしれないが、こればかりは自分ではどうしようもないこと。

進んだ道の先に何があるのか、それこそ人間は生まれた時から、生まれる国、親、環境…すべてが「運」に左右されているのだ。

人の行く末なんて紙一重、誰もが想像すべきこと

元から「不良品」の人間なんていない。

何かをきっかけに、どこかで「故障」や「不具合」が発生するだけで、誰しもがそうなる可能性を持ち合わせている。

人間はどこでどうなるか分からないものなのだ。

少なくとも、自分にもその可能性があるという想像力があれば、人に対して「不良品」などといった乱暴なものの言い方は出来ないはずなのだ。

「誰もが当たり前のように社会に適合できるわけではない」

松本の発言は、自分が「どうなっていたか」という「もしも」の事など考えられない人の典型例なのかもしれない。 結局、彼らのような社会的に権力を持った人間には、所詮、他人事でしかないのだろう・・・

近年は、こうしたワイドショーやニュースの過剰なエンタメ化が指摘されているが、専門性も無い、見識も無い、畑違いのタレントが、単なる個人の感情や浅い知識での発言をして「世相を斬った」というような「ドヤ顔」を見せる・・・

これを果たして視聴者は望んでいるのだろうか。

今はネットからいくらでも情報が入ってくるので、知識があると勘違いした「なんちゃって論客」が増殖しているのも、こうしたタレントや番組が生まれた原因だろう・・・

◇  ◇  ◇

昨今のテレビ(特に地上波)、特にバラエティ番組では「コンプライアンスが・・・」と嘆く関係者は多いが、視聴者はなぜ過激なバラエティの企画には厳しくて、ワイドショーやニュースの劣化に鈍感なのか。

どう考えても芸能人の社会に対するコメントなど耳障りでしかない。
不倫ネタをこねくり回しているくらいにしておけば、誰も文句は言わないのだが…

見渡せば、こんなむさ苦しいオッサンばかりになってしまったテレビに、果たして未来はあるのだろうか・・・

       

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