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- 結局YOSHIKIは不快だったのか笑ったのか『ダンダダン』騒動に失望の声…その顛末とは
先日放送されたアニメ『ダンダダン』第2期の第18話「家族になりました」での「お祓い」シーンに登場した「HAYASii」という4人組と彼らが演奏した「Hunting Soul」という曲が未だに尾を引いて話題となっている。
それだけインパクトが強く、また似ていると言われている本家のあの人が予想外の反応をしたことで波紋を広げてしまったのも大きいが、その顛末を整理してみたい。
ネタにされたことに不満?YOSHIKIの感覚のズレにガッカリ
アニメに登場する「HAYASii」というバンドは、原作の漫画の時点から誰が見ても「X JAPAN」を元ネタにしたキャラクターであることは明らかだったが、アニメ化によって実際に曲が付いた(演奏された)ことでさらに”それ”が強調されたのは間違いない。
だが、それが「X JAPAN」に対するオマージュ(尊敬する作品や作家に影響を受けて、その要素を取り入れた作品を制作すること)であることも明らかで、今回のXに限らず、過去の作品や人物をネタにしたシーンが要所要所に散りばめられているのが『ダンダダン』の魅力でもある。
そういったアニメ(漫画)であることを知ってか知らずか「X JAPAN」のリーダーであるYOSHIKIは、おそらく放送された直後にこのシーンを切り取った動画を見たのだろう、SNSにでも流れてきたのか誰かからの指摘だったのか、とにかくその反応は早かった
アニメは7日深夜の放送だが、翌日の午前中には自身のSNS(X @YoshikiOfficial)にて反応する投稿をしている。
何これ、 XJAPANに聞こえない?
@YoshikiOfficial
What’s this.. Doesn’t that sound like X JAPAN?
この時点でハッシュタグにDandadan ?と?を付けてるので『ダンダダン』というアニメの存在も知らないのだろう。だがここまではまだ良かった、元ネタに気づいて面白がったのかと思いきや…
えー? この件何も知らないんだけど、こういうのってあり? ファンのみんな、何が起こっているのか教えて
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~この制作チーム、事前に一言ぐらい言ってくれれば良いのに..
@YoshikiOfficial
@XJapanOfficial / @Yoshiki_Staff から緊急って連絡が来た
と、予想外の不満げな様子で立て続けに投稿。まるで緊急事態かのように不穏な空気を醸しだしファンを不安にさせる。
ここまでの反応(投稿)からは、自身に「何も話がなかった」ことへのYOSHIKIの強い不満が感じ取れるが、この流れからいきなり次の投稿でトーンが変わる。
最初これを知った時は、なんだか面白くて笑っていたら、弁護士達からも連絡がきた
@YoshikiOfficial
著作権侵害の可能性があるとのことで、どうなるのだろね樂
みなさん、この手のものは、多分先に関係者へ連絡した方がいいみたいだよ
「面白くて笑っていたら」…
最初の反応からはとても笑っていたようには思えないのだが、弁護士や著作権いう不穏なワードを出しながらも、自分は怒っていないかのように取り繕っているかのように見える。
そしてこの後から論点を自身の感情ではなく、著作権という観点から外部への問題と転換していく。
ちなみに、X JAPANの「紅」の著作権はソニー・ミュージックパブリッシングが管理しています。作曲したのは自分ですが、私自身も、この曲を使用する際には自分でさえも許可を得ることがよくあります。
@YoshikiOfficial
ここで自分へ「筋を通していない」ことの不満から、権利関係のやさしい注意に変わってしまった。
そしてアニメの「HAYASii」の演奏に関わっているのが、有名どころで面識のあるマーティ・フリードマンであることが分かると、マーティの投稿に対して「また一緒にセッションしましょう!」と、当初の不満げな様子からは一変した。
ここからは、アニメに対しての好感アピールタイムが始まる…
今気づいた!これって俺の林かな?藍笑
”TV Anime “DAN DA DAN” HAYASii”
アニメ見たくなってきた。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
だんだん興味が湧いてきた。いつか
@YoshikiChannel に招待するので、公開で話する?~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
I love アニメ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
この件は、音楽出版のSony Music Publishingが管理している曲に関係するため、関係者で近く話し合いが行われるようです。自分もアニメファンで、こういう作品は好きなので、前向きな方向に進むことを願っています。
@YoshikiOfficial
おそらくファンに呼び掛けてはみたものの、自分が思うような反応は返ってこなかったのだろう、「X JAPAN」のファンも「アニメ」ファンも、こういったオマージュに対しては寛容で、むしろアニメでありながら、音楽に対してここまで本気でクオリティの高さを追求したことをネット界隈では絶賛されていたのだ。
こういった世間の空気を読み違えたのはYOSHIKIのミス(感覚のズレ)なのだが、その後の「振り上げた拳の納めどころ」が、急に手のひらを返したように自身がアニメファンであることをアピールしだしたのが、ファンには実にカッコ悪く映ってしまった。
日本で「X JAPAN」海外では「DragonForce」?
今回の「HAYASii」の件では、製作者側から「X JAPAN」へのオマージュであることが明らかにされており、こまかなディティールやネーミングからも確かにそれなのだが、何も言わずとも日本人ならほぼ「X JAPAN」を想起するだろう。
だが海外リアクターの反応を見ると、スタイルはKISSやHelloween、曲調はDragonForceのオマージュやパロディに見えるようで、場所(国)が変われば捉え方も違うのが面白い。
今や音楽よりもアニメの方が世界的に影響力があるため、こういったオマージュによって元ネタが世界中で調べられ、日本に「X JAPAN」というバンドがいると認識される方がよっぽどメリットがあるはずなのだが、もうすぐ還暦という年齢的にもそういった世の中の潮流を読むアンテナが鈍っているのでは?との指摘も聞こえ始めた。
少なくともYOSHIKIという名前は聞くが、必ずしもエンタメの中心にいた人ではないことだけは確かだろう。
同じソニーグループ内で権利関係を揉める?
彼が指摘する権利関係の話も、そもそも『ダンダダン』のアニメ制作に関わっているのが、鬼滅の刃でも有名になった「アニプレックス」で、同じソニーグループだというのもツッコミどころとなっている。
関わっているのが素人どころかエンタメのプロ中のプロ。権利関係を無視しているとも思えないし、そもそも同じグループ内、それに曲はあくまでも「○○っぽい」というだけで「話し合いが行われるとか、前向きな方向に進むことを願っています」とかも、どこか”とんちんかん”に聞こえてしまう。
ちなみに『ダンダンダン』の公式Xによると、HAYASii「Hunting Soul」は各サブスクでは問題なく配信されており、また10月8日(水)発売のオリジナルサウンドトラック 2に収録されることが発表されている。
このことからも、YOSHIKIの立ち回りも空しく、そもそも権利関係の話など存在しないか解決済みであることが伺える。
◇ ◇ ◇
『ダンダダン』の放送直後から絶賛の声があふれた「HAYASii」の「Hunting Soul」。これは元ネタがあるからこそ面白く、話題になったのだが、その元ネタとなった張本人がその盛り上がりに水を差した格好になったのは非常に残念だ。
そのことにYOSHIKIもようやく気づいたのか、騒動をこう収束させている。
今回の件、急に連絡が来て驚いて、つい呟いちゃいました。お騒がせしてすみません。
@YoshikiOfficial
ごめんなさい。
だが、弁護士や権利関係のワードを出して散々空気を悪くした末の謝罪に、アニメファンからは厳しい声が上がり、今回の騒動でYOSHIKIは自らの感覚の古さや鈍さを露呈させたのは言うまでもない。
「前向きな方向に進むことを願っています」
あの頃の栄光から止まってしまったかのように、なかなか目に見えるような活動、結果がない状態に、”この言葉”を切実に願っているのは「X JAPAN」のファンなのではないだろうか。