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- 流行語大賞に『ふてほど』に異例の「知らない」「初耳」の声が続出!?選考基準に疑問も
今年も気づけば12月になり、年末恒例の「2024ユーキャン新語・流行語大賞」(現代用語の基礎知識選)が2日に発表された。
世間は「流行語大賞」の発表だとか言われる時期となり、改めて1年が過ぎ去る速さを実感する。いつもはさして気にもならない流行語に特に思うこともないが、聞き覚えのあるワードに「そんなこともあったなぁ」と振り返る程度のことはある。
だが今年はそういった感覚が皆無で、不思議な感覚に陥るような言葉が年間大賞に選ばれた。
年間大賞の「ふてほど」に初耳だという声が続出
ピンと来るとか来ない以前に筆者は「初耳」で、世間の流行語と言われる言葉を「初めて聞いた」のだから自分でも驚く。
こんなことは初めての感覚なので自分が「もぐり」なんじゃないかと不安になってしまったのだが、どうやら世間の反応を見ると気にすることもなさそうなので、ひとまず安心、そこで「ふてほど」という言葉はなんぞやと、知らなかった奴が一応解説してみる。
TBS金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」の略称が「ふてほど」?
こんな答え合わせが必要な言葉が「流行語大賞」なんていうのも良くわからないが、一応「ふてほど」と略されたドラマがどんなものだったのかくらいは知っておこうと思う。
TBS金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」は、宮藤官九郎がオリジナル脚本を手掛けたヒューマンコメディー。主人公は1986年(昭和61年)から2024年(令和6年)にタイムスリップしてしまった“昭和のダメおやじ”的な体育教師の小川市郎を阿部サダヲが演じ、彼の「不適切」な言動が、現代では何かと縛られてしまっている「コンプライアンス」というものを考えさせられると話題になった…らしい。
要は時代による考え方の変化やギャップが社会的なテーマとなっている今、それを堅苦しくなく宮藤官九郎節で描いたというドラマで、コメディでありミュージカルシーンがあるという。
こうして内容を見るとそれなりに話題にはなったのも頷けるし、年末年始に時間があれば見てみたいとは思うが、それが流行語なのかと言われれば話は別だ。
当然、ドラマを見ていなければ流行したと言われても否定的になるが、見ていた人にも「ふてほど」なんて略称にピンと来ていない人も多いようなので、いったい選考者が何をもって流行したと思ったのか、こうしてドラマの存在を知っても「疑問」しか沸いてこない。
他にノミネートされた流行語は?
ちなみに流行語には他にも多くノミネートされた言葉がある。
それなりに世相を表しているとは思うが「流行語」なのかと言われると微妙で、ここまで無理して列挙する必要があるのかと思うほど、正直どうでいいものばかりな印象だ。
どうしてもこの中から大賞を選べというのなら、明らかにドラマよりも大谷やオリンピック関連の言葉の方が多くの人が耳にしたはずだし、アニメの主題歌だった「Bling-Bang-Bang-Born」も、アニメを見てない人の耳にもあのフレーズは届いていたと思うのだが…
選んだ側の自戒の念?本当にユーキャンはそれでいいのか
選考委員である、やくみつる氏のコメントを見ると、もはや本来の「流行」というテーマを見失っているようにも感じる。
やくみつる氏も「この選出はまことにアイロニカルであったと思っているわけです」と、現代への“皮肉”として評価。「口にした当時は微塵も疑わなかったそれら封印語を敢えて世に問うかの『ふてほど』を大賞としたことは、選んだ側の自戒の念も含むものとご理解願います」と、自戒を込めてコメントしていた。
出典:スポニチアネックス
流行語に「選んだ側の自戒の念」が含まれていることを、世間一般の人はどう理解すればいいのか。また日本語の流行語を発表する場で「アイロニカル」とか、いかにもインテリが好きそうな横文字を使うあたりもズレてるなと感じる。
これが選考理由だとしたら、それはもはや「流行語」ではないことは確かだ。少なくとも大賞に選ばれるべきなのは、一般的にどれだけ耳にしたか、使われたか。
選考委員が「自戒の念」を抱くために「流行語」が勝手に作られるのは、傲慢で思い上がりも甚だしいと思うのだが、一応、年末の世相を表すイベントとして今年で41回目、それなりに時代を記録してきた「流行語大賞」なのだが、主催するユーキャンは本当にこれで良いのだろうか。
振り返った時に「誰もピンと来ない言葉」が、大賞のリストに載ってしまったことを、もう少し重く捉えた方がいいと思うのだが…
「流行語」というテーマそのものがブレてしまった以上、少しでも権威や話題性を保ちたいのなら選考のやり方を見直された方が良いだろう。