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- 『おむすび』令和の朝ドラにも30年前と変わらない「あの頃のB’z」主題歌『イルミネーション』はエモすぎる
2024年の秋(9月30日)から始まった、NHKの連続テレビ小説(通称「朝ドラ」)『おむすび』、その主題歌をB’zが担当している。
ただ一般的にB’zといえばゴリゴリの疾走感のあるロック、いわゆる「ハードロック」のイメージが強いこと、また事前に発表されたのは「イルミネーション」というタイトルのみだったこともあり、果たして「朝ドラに合うのだろうか?」という一抹の不安を抱えながら、初回の放送を見たというファンも多かったのではないだろうか。
B’zらしさを残して朝ドラにフィットさせる軽快なロック
いよいよ9月30日の第一回目の放送が始まり、ドラマの導入部分から主題歌に切り替わると、これだけでB’zとわかる松本孝弘(Tak Matsumoto)のギターがイントロで流れる。それもちゃんと朝ドラ使用になっていて違和感はなく、続いてミドルテンポのシャッフルビートに稲葉さんの歌が乗る。
歌詞も「イルミネーション」という曲名が非常に効いており、韻を踏むことによって、より軽快に聴こえるように仕上がっている、意外とこれも初期のB’zが得意にしていた曲調だ。そこは天下のB’z、依頼に対するアンサーはさすがというべき曲に仕上がっている。
不安は一瞬で吹き飛び、さすがのキャリアというか持ってる引き出し多さ、違いを見せつけられたような感じがする。
普通に考えれば「B’z=ハードロック」だ、朝ドラの主題歌に合うはずがない。アルバム「Dinosaur」の頃には、表題曲のタイトルは”時代遅れ”を意味していると本人たちが明かしていることからも、最近はそれを承知で続けることに価値を見出している節もあった。
朝ドラの主題歌といえば、現代のポップシーンにおいても注目度は高く、そこで今の時代に求められることに苦心し、正直いちファンとして「B’zである必要があるのか?」といった曲になってしまうことも覚悟していたが、それはやはり2人には失礼な思い過ごしであったと思い知らされたわけだ。
ドラマの制作陣も求めたB’z、あの頃少年だった責任世代の支え
もちろん主題歌にB’zを求めたのはドラマの制作陣である。今の社会で中心となって働いている30代後半から40代はまさにB’z世代、サラリーマンなら何らかの役職についたり、徐々に人の上に立ち始める、いわゆる責任世代というやつだ。
この世代は程度の差はあれど、青春時代にB’zを通ってきた人は少なくない。
<制作統括・宇佐川>
出典:朝ドラ主題歌にB’z 制作統括が“起用理由”を明かす…
「人々を元気にしたい」このシンプルな思いを、本気で、全力で考えた結果、たどり着いた答えがB’zさんによる主題歌でした。お二人は、平成を(そして今を)代表するヒットメーカーであり、何より私達のこれまでの日々を、人生を、数々の名曲を通じて支え続けてくれた存在です。
実は連続テレビ小説『おむすび』の企画書も、B’zの楽曲を聞きながら書いていました。ドラマに込めた思いを、B’zのお二人にお伝えしてから数か月後、「イルミネーション」という美しいタイトルの一曲が届けられました。初めてその曲を聴いた時、思わず涙がこぼれました。
脚本の根本さんも同じように涙を流したそうです。私たちの人生と日々を、これ以上ない形で祝福してくれていると感じたからです。B’zのお二人がともした温かな“イルミネーションと共に、ドラマを通じて、皆さまの心に明るい一日をお届けできたらと思います。
こういったドラマに携わっている方たちの思いを聞くと、まさに彼らもB’z(ど真ん中)世代なのだろう、長い人生で色々なものに触れ、好みは移り変われど、青春時代に影響を受けたものというのは歳を重ねれば重ねるほど蘇ってくるもの、意識せずとも自分の血となり肉となっていることに気づくことがある。
B’zは35周年を超えても、現役どころか今なおバリバリのカリスマで居てくれているが、30年前に初めて聴いて心躍らせた少年が”おじさん”になった今でも支えられているのだから、それが如何に特別で凄いことなのかが分かってもらえるだろう。
若くて新しい音楽が溢れているなかでも、令和の朝ドラの中に30年前と変わらない「あの頃のB’z(2人)」が居て、当たり前のように新曲が流れてくる、まさに今の言葉で表現するなら”エモい”のだ。
そんなことが今のZ世代と言われている人たちの聴いている音楽やアーティストが20年後、30年後に経験させてくれるだろうか…
こんなに素敵な主題歌を聴かせられたら、筆者もB’z世代の一人として、普段あまり縁のない朝ドラでも見てみようかなと思ってしまうじゃないか。