ウンナン・出川・バカリでマセキ特番!弱小事務所も今や業界評価は吉本以上?

出典:フジテレビ

「闇営業」に「反社会的勢力」というワードに揺れる吉本興業。特に「反社勢力」との関わりは、過去に島田紳助を引退に追いやったという苦い経験があるにも関わらず、脇の甘い芸人に批判が集中している。

またキッカケとなった「闇営業」(事務所を通さない仕事)も、以前から芸人の待遇に関し色々言われていた吉本の体質にも問題があると、業界からは透明性を求める声が上がりだした。

そんな中、業界では ウッチャンナンチャン出川哲郎 を擁する「マセキ芸能社」が存在感を増していると言われる。

かつて ウッチャンナンチャン だけの弱小事務所と言われたマセキが、なぜ今必要とされているのか。

まさにマセキ特番!?業界から信頼される理由

フジテレビの土曜プレミアム枠で「こんな休日どうですか 内村バカリ南原出川が本気で考えた!最高の旅SP」が、6月22日(土)夜9時から放送される。

「充実した休日を過ごす」ことをコンセプトに、今回もウッチャンナンチャンがそれぞれ“最高の休日の過ごし方”を提案する第二弾。 出川哲朗、バカリズムらが2チームに分かれ、実際にプランを体験するという番組。

注目すべきは、番組のメインとなるウッチャンナンチャン、出川哲朗、バカリズムという面々は、売れっ子であると同時に同じ「マセキ芸能社」(以下マセキ)であること。

こんな特番がゴールデンで出来てしまうのが、今のマセキの力を示していると言っていいだろう。

演芸の事務所で生まれたウンナンというスター

マセキは長らく、テレビに出ている芸人は ウッチャンナンチャン(以下ウンナン)くらいしかおらず、後におまけの 出川哲朗 が出たくらいで、事務所内ではウンナン1強という時代が長く続いた。本人たちも後輩が出てこないことを嘆くことが度々あり、事務所の状況を大手と比べてネタにしていたほどだ。

ウンナンの2人は、役者や映画監督などを志望するような人間が集まる「横浜放送映画専門学院(日本映画学校を経て、現在は日本映画大学)」で出川らと共に知り合う。

元々2人はお笑いを目指していたわけではないうえ、そのような場所(学校)でもなかったが、学校では漫才の授業があったことから運命が変わる。そこでコンビを組んだ2人は、授業で講師を務めていた 内海好江(漫才コンビ、内海桂子・好江)に見出され、内海が所属していたマセキに誘われたことでお笑いの世界へ飛び込むことになる。

だが、当時のマセキはテレビタレントの事務所ではなく、浅草の演芸事務所のようなところ。ウンナンがテレビの世界で一躍スターダムへ駆け上がったことで状況が一変したのは言うまでもない。

ウンナン自身も業界のことを知らず、お金のことにも無頓着だった為、売れてからも給料はしばらく「お小遣い制」だったと出川が明かしている。(後に出川が島田紳助らのアドバイスを受け、事務所に掛け合ったことで給料が明確化したのだと語っている。)

ウンナンが跳ね返した逆境とマセキの現在

そんな小規模な事務所であるがゆえ、ウンナンは同じ事務所の芸人同士で絡む、いわゆる内輪ネタから生まれる「鉄板」のような笑いは得意としないが、仕事をする芸人やタレントのほぼ全てが他事務所という環境にあったことで、柔軟性を身に着けたともいえる。

しかし時に事務所に力がないことで、イキがった芸人やタレントに口撃されることがしばしばあったのも事実。だが、そんなこともウンナン2人の人間性が全てを打ち消し、低迷した時期もあったがその地位が揺らぐことはなかった。

まさに今のマセキ芸人が他事務所の芸人と、なに不自由なく仕事が出来るのも、ウンナンが積み上げてきた業界内での信頼や評価が根底にあるからなのだ。

ブレずにウンナンを追ったバカリズムが保つステータス

近年のマセキの躍進には 狩野英孝 いとうあさこ といったピン芸人の活躍が目立つが、中でも明確にウンナンを追って芸人を目指した バカリズム の存在は大きい。

まさに「日本映画学校からお笑いの世界へ」いうウンナンが作ったルートからバカリズムが誕生した。現在はピンだが元々はコンビで、作り込む笑いや、脚本家としての顔もあり、映画監督や小説も書く 内村光良 との共通点は多い。

しかし、徐々にブレイクする芸人は出るようにはなってきたが、なぜかウンナンがリードして来た事務所にもかかわらず、ブレイクするのはその系統とはズレた芸人ばかりで、一時期 マギー審司ふじいあきら が出てきた時はマジック事務所と揶揄されたり、出川を筆頭に、狩野や小宮(三四郎)などポンコツキャラも多いため、まとめて「マセキ幼稚園」などとイジられることも・・・

第三世代の一角を担ったウンナンが所属していたことで、マセキには「ウッチャンナンチャンの事務所」としての認知度とステータスはある。それを中々生かせないという苦悩を経て、やっとそのステータスに見合う芸人として、ウンナンと並べる位置まで来たのがバカリズムなのだ。

出典:フジテレビ

今回のような特番が実現した背景には、そんな バカリズム の存在も大きい 。

コンビは解散するが、ピンになってもブレずにコツコツとウンナンの背中を追ってきた彼が、こうして特番という形で一緒にメインを務めるところまで来たのは、事務所にとっては長年の悲願であり、ウンナンの2人も、あの馬鹿にされ嫌われ続けた盟友の出川が人気者になったこともさることながら、後輩中の後輩がこうして並ぶ位置に立つのは感慨深いはずだ。

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今や 出川哲朗 や いとうあさこ は「最も番組に起用したい」タレントとも言われている。

そしてトップのウンナンは、MC(司会者)として紅白の総合司会を務めるまでになったウッチャンと、お昼の顔となったナンチャン。コンビでの活動こそ少ないが2人とも現役バリバリで、むしろウッチャンは個で活動するようになってから、眠っていた器用さが解放された感さえある。

かつては自身が苦手と言っていたMCでも、紅白まで上り詰めたのは特出すべきところだ。

こうして数こそ少ないが、確実に要求に答えられる少数精鋭が揃う事務所として、マセキの評価がうなぎ登りなのも頷けるだろう。

一方でキナ臭い問題が付きまとう吉本。だがそれでも芸人の質と量はずば抜けており、番組には欠かせない。しかし小さいながらも確実に業界の需要に対応してきたマセキ芸能社は、闇営業に揺れる巨大勢力との違いを見せていることは確かだ。

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